優れたトレーニングの基本
優れたフィットネストレーニングとは、個々人の健康とフィットネスの目標を上手にカバーしているものです。優れたトレーニングは、健康状態や身体的・社会的環境を考慮し、持久力、筋力、可動性のトレーニングといった要素をバランスよく組み合わせたものが基本です。1回のトレーニングでひとつの要素に集中しても、または複数の要素を組み合わせて行ってもかまいません。
この文書では、持久力、筋力、可動性のトレーニングを主に取り扱っています。ここで紹介する推奨事項は、米国スポーツ医学会(ACSM)によるもので、体力と健康の向上を目標とする健康な成人を対象としています。アマチュアアスリートや競技アスリートにとっては、さらに高度なトレーニングテクニックの方がより良い効果をもたらす可能性があります。
持久力トレーニングは心肺機能の発達に役立ちます。心肺機能の発達とは、身体的作業を行う際に、心臓、血管、肺、骨格筋が酸素をより効率的に運搬し、利用できることを意味しています。また、持久力トレーニングは体重管理にも役立ちます。
持久力トレーニングにつながるスポーツ種目は数多くあり、お好きなものを選んでいただけます:
- ウォーキング、のんびりサイクリング、アクアエアロビクスなどは、すべての人に適しています。
- ランニング、ボート、水泳、クロスカントリースキーといった、より負荷の高いスポーツは、より充実したトレーニング経験を持つ人に適しています。
- ご希望であれば、バスケットボールやサッカー、ラケットスポーツ等のスポーツにトライすることもできます。ただ、持久力トレーニングによる効果を得るには、十分な強度(激しさ)のトレーニングを行う必要があることにご注意ください。
ほとんどの場合、成人では少なくとも週3日のトレーニングが推奨されています。しかしながら、推奨される身体活動量を達成するには3~5日のトレーニングが最適です。各セッションで推奨されるトレーニングは以下の通りです:
- 普通の強度で30~60分(話すことはできるが歌うことはできない程度)、または
- 激しい強度で20~60分(息継ぎしないと数語以上話すことができない程度)、または
- 普通の強度と激しい強度の組み合わせ
または、歩数をカウントし記録するのもよいでしょう。歩数は、エアロビクスフィットネスの促進や、必要なトレーニング量の概算に役立つことがあります。通常、推奨される1日の目標歩数は1万歩ですが、7,000~8,000歩でも十分な健康効果が得られることがわかっています。少なくとも3,000歩はきびきびと早足で歩くようにしてください(1分間に100歩以上のペース)。
継続的にトレーニング セッションを行う時間がなくても、ご心配は無用です。短時間のトレーニングを1日に2回以上行うだけでも、同じ効果が得られることがわかっています。10分未満の運動でも効果は十分見込めます。
週ごとの目標は、トレーニングによって得たいものは何かを考えて決めましょう:
- 劇的な健康効果を得るには、普通の強度で週150分、または激しい強度で週75分を目標にしてください。あるいは、普通の強度と激しい強度を組み合わせてもよいでしょう。
- さらに広範な健康効果を目指すには、普通の強度で週300分、または激しい強度で週150分を目標にしてください。あるいは、普通の強度と激しい強度を組み合わせてもよいでしょう。
まずは、低い強度から、ゆっくりと始めることをお勧めします。運動不足の場合は、痛み、怪我、過度の疲労、長期的なオーバートレーニングのリスクを避けるために、軽め~普通の強度のトレーニングから始めることをお勧めします。1~2週間ごとに、5~10分ずつ運動時間を増やしていくとよいでしょう。4~6週間後以降は、4~8か月かけて徐々に運動時間を長くするとよいでしょう。過度の息切れ、疲労感、筋肉痛に気づいたら、無理をせずトレーニングをゆるやかにしてください。
筋力トレーニングは、筋力と持久力の向上に役立ち、階段の昇り降りやバッグの持ち運びなど、毎日の作業を楽にしてくれます。優れた筋力は、慢性疾患の予防や緩和、健康状態の維持にも役立ちます。
個々の筋肉群をひとつずつトレーニングしても、一度に複数の筋肉群をトレーニングしてもかまいません。また、体幹エクササイズも有効です。なお、多種多様なレジスタンストレーニング器具を使用できます:
- フリーウエイト(バーベル、ダンベル、ケトルベルなど)
- 自重または自重懸架装置
- マシン類(ウエイトスタック式、プレートロード式、空圧式のレジスタンス器具)
- レジスタンスバンド、レジスタンスチューブ
しかしながら、器具を使わずにトレーニングすることも可能です。たとえば階段を上るだけでも、大きな筋肉を鍛えるには極めて有効なトレーニングとなります。
トレーニングのバランスを保つには:
- 拮抗筋群をトレーニングするには、プッシュアップとダンベルロー、プランクとバードドッグといったトレーニングを行います。
- 短縮性(筋肉が短くなる動作)、伸張性(筋肉が長くなる動作)、等尺性(筋肉の長さに変化なし)といった筋動作を行います。
- 動的エクササイズ(動きのあるエクササイズ)と静的エクササイズ(動きのないエクササイズ)を行います。
今までトレーニングをあまりしてこなかった場合は、週に1回の筋力トレーニング セッションですでに改善が見られる可能性もあります。後々には、トレーニングの頻度ではなく、セット数に焦点を当ててください。これらを念頭に置いたうえで、各筋肉群を週に2~3日トレーニングすること、トレーニングセッションの間に少なくとも48時間の休息期間を設けることを目安にしてください。
初心者の場合は、1セットでも効果がでる可能性があります。初心者でない場合は、1回のエクササイズにつき2~4セットを目標にしてください。1セットあたりの繰り返し回数は、あなたのバックグラウンドによって異なります:
- 成人(ほとんどの場合):8~12回
- トレーニングを始めたばかりの中高年者:10~15回
- 筋持久力を向上させたい人:15~25回
筋力を継続的に向上させたいのであれば、段階的なトレーニングが有効です。これにはいくつかの方法があります:
- ウエイトを追加します(たとえば、100ポンド(45.5 kg)で10回の繰り返しが可能ならば、次回のトレーニング セッションではウエイトを5%追加します)。
- 同じ負荷で繰り返し数を増やします(たとえば、初日に9回繰り返したならば、2日目は11回繰り返します)。
- 筋肉群ごとに週のセット数を増やしていきます(たとえば、1筋群につき3セットではなく、4セットを行うようにします)。
- 週のトレーニング日数を増やします(たとえば、週に全身トレーニングを2回行う代わりに、3回行います)。
本文書のガイドラインは、健康の増進を目的としていることにご留意ください。筋力や筋量を増やしたい場合は、もっと激しいトレーニングプログラムを検討してください。
モビリティトレーニングは、可動域を改善するトレーニングです。可動域が改善されると、日常生活での動きを実行しやすくなると同時に、怪我の予防にもつながります。また、運動能力の向上にも可動域は重要な要素です。
モビリティトレーニングでは、肩甲帯、胸部、頸部、体幹、腰部、臀部、脚背面、脚前面、足首の主要な筋腱ユニットをターゲットにします。ストレッチには動的ストレッチ(動きながら行うストレッチ)と静的ストレッチ(一定時間保持するストレッチ)があります。
モビリティトレーニングの主なガイドラインは以下の通りです:
- 始める前に筋肉を温めます。モビリティトレーニングは、筋肉が温まっているときが最も効果的です。
- モビリティトレーニングは毎日行うのが最も効果的です。このことを念頭に置いたうえで、少なくとも週に2~3回のトレーニング セッションを行ってください。
- ストレッチは、つっぱり感や軽い違和感を感じる程度に行います。
- 静的ストレッチを10~30秒キープします。年齢が高い人は、30~60秒間ストレッチ状態を保持する方がより効果が出る可能性があります。しかし、パフォーマンスを向上させたいのであれば、長時間のストレッチは避けるようにしてください。
- 各ストレッチ運動を2~4回繰り返し、エクササイズ1回につき合計で90秒のストレッチを行ってください。これには、持続時間と繰り返し回数を調整してください。
これらのガイドラインに従えば、ストレッチルーティーンは最大でも10分以内に完了します。
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