トレーニング開始の準備は万全かどうか、どうすればチェックできるのでしょう。
トレーニングに身体がきちんと対応しているのか、またそのままトレーニングを続けていいのかどうか、自分のコンディションを見極めるのは、なかなか難しいものです。主観的な見方は時に重要な手掛かりとなります。しかしやはり客観的な観点からも合わせて確認した方が、全体像が見えてくるというものです。いつエンジンをかけるべきか、それともちょっと休むべきなのか、そのタイミングをお教えします。
トレーニングの準備が整ったかどうか確認する方法はいくつかあります。目標やトレーニングのルーティンに合った方法を選びましょう。それでは詳しくお話していきます。
外傷と病気のリスク(カーディオ負荷ステータス)
定期的にトレーニングを行う方は外傷や病気のリスクに気をつけなければなりません。なぜか多くのアスリートは、休憩やリカバリーに割く時間をないがしろにする傾向があります。一生懸命努力する時間、そしてしっかり休む時間。このバランスをとるのはプロ選手にもなかなか難しいものですが、これは定期的にトレーニングを行う一般の方達にもあてはまります。
外傷と病気のリスクを予測するために、カーディオ負荷ステータスを参考にします。カーディオ負荷ステータスのレベルは、「トレーニング不足」「現状維持」「効果的」「オーバートレーニング」でわかれており、最近通常のレベルよりどれだけ多くカーディオ トレーニングを行っているかでレベル分けされます。オーバートレーニングの状態が続くと、スポーツで負傷するリスクが高まります。また同時に、病気にかかりやすくなる可能性も高まります。だからといって必ずしも絶対ケガや病気をするというわけではありません。ただ確実に言えるのは、さらにトレーニングを重ねることは賢明でないということです。
外傷と病気のリスクの判断は、トレーニング量とその強度だけを参考にしています。回復の兆候や睡眠状況といった他の要素は反映されません。
Nightly Recharge
定期的にトレーニングを行うけれど、仕事や家族、友人と過ごす時間などとのバランスを取りたいという方には、Nightly Rechargeをお勧めします。健康的でバランスの取れた生活を犠牲にせずに、目標を達成したい方にぴったりです。Nightly Recharge は夜間自動的に回復状況を測定するツールです。この結果をもとに日々の活動に効率的に取り組むことができます。
Nightly Recharge ステータスは、自律神経ステータスと睡眠ステータスの2つの要素を含みます。自律神経ステータスは、睡眠の最初の何時間かの間に自律神経がどの程度沈静化したかを示します。心拍数、心拍数変動値(RMSSD, 心拍間隔時間の前後の拍動間の二乗平均平方根)、呼吸数を合わせて測定されます。睡眠ステータスは通常レベルと比べどれだけよく眠れたかを、あなた自身の28日間の睡眠スコアベースラインを参考に比較したものです。複数の値と品質測定法に基づく数値を合わせた方法、一般的に睡眠学でも承認されているメトリクスを使います。
フィードバックは数字以外の要素もカバーしています。Nightly Recharge ステータスを基に、トレーニングのプラン作り、また睡眠、エネルギーレベルを整える方法など、個々に合わせカスタマイズされたアドバイスを毎日提供します。特別な準備は要りません。ただ腕時計を着用するだけです。Nightly Recharge を使い、体調が万全でない日でも一日を有効に過ごせるようにサポートします。
起立試験
起立試験はRecovery Pro 機能の一つですが、カーディオ トレーニングに対するコンディションの整い具合を毎日チェックする手段としても、単独で使うことができます。トレーニングやストレスなどの外的要素に対して、身体がどのように反応しているかを知りたい時に便利な機能です。このテストは医療目的で開発されましたが、スポーツサイエンスの世界でも、ここ20年以上取り入れられてきました。
テストでは安静時と起立時の心拍数変動値(RMSSD 安静時/起立時)を測定します。ここで算出された値があなた個人の28日間のベースラインと比較されます。2つの心拍数変動値のいずれかが、通常範囲より上、または下である場合は、カーディオシステムがまだ完全に回復していないことを示します。自律神経による心臓の制御は、トレーニング負荷と精神的なストレスの増加に呼応して変化します。
起立試験から得たフィードバックを基にトレーニングプランを調整したランナーは、従来のトレーニングに固執して調整を行わなかったランナーと比べ、少ないトレーニング時間で同じような(またはより良い)進捗を遂げたというデータがあります。トレーニングを開始する準備が整っているかをチェックするには、毎日このテストを行うといいでしょう。それが無理な時は、高強度のカーディオ トレーニング前に実行することをおすすめします。腕時計と、チェストストラップ付きの心拍センサーをご用意ください。
Recovery Pro
パフォーマンス重視の方には Recovery Pro をお勧めします。目標達成にはハードワークが必要ですが、自分がトレーニングをこなせるコンディションにあるかを定期的に評価し、それに応じてトレーニングプランを調整していくことも大切です。自身の回復度に基づきトレーニングを調整することによって、能力開発に大きく影響を及ぼすこともあります。
Recovery Proの機能は自動的に作動しません。この機能を使うには、週に3回起立試験を実行し、同時に回復状況に関する質問に回答する必要があります。目標に向けて真剣に取り組むなら、この手間に数分を割くことはきっとのちに役に立つはずです。
Recovery Proはリカバリー状況を詳細まで把握し、長期的・短期的に見た時に、トレーニングを継続してもよいコンディションに有るかどうかをチェックすることができます。トレーニング セッションから得たカーディオ負荷データ、起立試験結果データ、そして回復状況に関する質問への主観的な回答内容を合わせて検証します。すべては個々のベースラインと比較します。
以下の項目を毎日提供します:
- その日のカーディオシステムの回復具合に関するフィードバック
- 長期間にわたり習慣化したトレーニング内容や回復状態についてのフィードバック
- カスタマイズされたトレーニングに関するアドバイス
Recovery Proは、起立試験を使って、自律的な心臓の制御ができているかどうかを検証します。前述の通り、このテストは単独でも行うことができます。
脚力回復度テスト
目標達成を真剣に目指していて、トレーニング内容にスピード、筋力の強化、高強度のカーディオ トレーニングを取り入れている時には、脚力回復度テストが効果的でしょう。スピードと筋力を鍛えるトレーニングは、どんなスポーツでも、パフォーマンスを高めるために必要な要素です。トレーニング セッションを効率的に行うには、タイミングの調整が重要です。トレーニングやその他の外的要因に対してにあなた自身の身体がどのように反応しているかをまず把握しましょう。脚力回復度テストがきっと役に立つでしょう。
脚力回復度テストは、下半身の筋肉がトレーニングからどの程度回復したかを知ることができ、また次にどのようなトレーニングをすべきか決定する時に役立つでしょう。脚力回復度テストとは、実際には3回カウンタームーブメントジャンプを行います。腕時計以外に道具もいらず、また場所を選ばずにできるテストです。結果データを通常レベルと比較することで、下半身筋肉のリカバリー状況を推定することができます。
またさらに、脚力リカバリー状況やその他の関連データ(外傷 病気のリスク、Recovery Pro 、起立試験、Nightly Rechargeなど)を合わせたデータから、スピード/筋力/高強度カーディオ トレーニングを実行していいコンディションに有るかどうかをチェックします。トレーニングを開始する準備が整っているかをチェックするには、毎日このテストを行うといいでしょう。それが無理な時は、スピードトレーニング、下半身筋肉の筋力トレーニング前に実行することをおすすめします。
こちらにフィードバックの実際の例をご紹介します:

誠に勝手ながら、ゴールデンウィーク期間中は、サービスセンターを下記の通り休業とさせていただきます。
2024年 4月27日(土)~ 5月6日(月)
※ゴールデンウィーク休業前の修理品のご返送は、2024年4月19 日(金)弊社到着分までとさせていただきます。但し、修理の内容によりましては休業前の対応が出来かねる場合がございますのでご了承くださいませ。
その他、修理のお問い合わせはサービスセンター info.jp@polar.com までご連絡下さい。