起立試験の概要と実施方法
起立試験は、トレーニングと回復のバランスをモニタリングするために一般的に使用されるツールです。これは、トレーニングによる自律神経系の機能における変化を基にしています。起立試験の結果は、心的ストレス、睡眠、潜在的な疾患、環境の変化(温度、気圧)、その他の外的な要因の影響を受けます。長期的に比較することでトレーニングを最適化し、オーバートレーニングを回避できます。
起立試験は、心拍数と心拍変動の測定を基にしています。心拍数と心拍変動の変化は、心血管系の自律神経調整における変化を反映します。試験は、1拍ごとの心拍数、つまりRR間隔で測定します。
この試験は、オーバートレーニングの回避に役立ちます。起立試験で測定される心拍数と心拍変動は、疲労やオーバートレーニングによりしばしば生じる自律神経系への影響を知る良い指標になります。しかしながら、疲労やオーバートレーニングの心拍への影響には個人差があります。長期的な比較が必要であり、まず、6回テストを行い、信頼できる基準値を算出する必要があります。
6回の基準値テストを行った後、定期的に試験結果を確認できるようになります。起立試験は、継続的に行われるものであり、朝のスケジュールに取り込むことができます。起立試験の結果は、友人のものと比較できるものではないことに注意してください。個人差があり、本人にのみ適用されるものです。
最初に起立試験を開始する際は、あなた個人の基準値を判定するため、6つの基準値テストを2週間にわたり実施する必要があります。これらの基準値テストは、重いトレーニング週ではなく、2週間の一般的な基本トレーニング週に行ってください。また、トレーニング後の数日と、回復日の後の数日の両方でテストを行う必要があります。
基準値テストの実施後も、継続的に週に2~3回テストを行ってください。毎週、激しいトレーニングの翌日と回復日の翌日(または激しいトレーニングを数日行った後)にテストします。オプションの3番目のテストは、通常のトレーニング日の後に実施できます。このテスト結果は、トレーニングをしていない時期、または不規則なトレーニング期間においては、信頼性の高いデータにはなりません。14日間以上トレーニングを中断する場合は、平均値を一旦リセットし、基準値テストを再度実施することを検討してください。
このテストで信頼性の高い結果を得るには、いつも標準化された同じ条件でテストを実施する必要があります。このテストは、朝食前に行うのが理想的です。以下の基本条件が必要です。
- 心拍センサーを装着します。
- 穏やかでリラックスした状態になる必要があります。
- リラックスした姿勢で座るか、またはベッドに横たわります。テストを実施する際は、いつも同じ姿勢で行います。
- 気が散るような音(テレビ、ラジオや電話など)を避け、人と話すのもやめましょう。
- このテストは、結果が比較できるよう、定期的に、朝、起床後の同じ時間帯に実施することが推奨されます。
起立試験を実施すると、毎回、心拍数と心拍変動が記録されます。HR RESTとRMSSD RESTは、横になっているときの心拍数と心拍変動を表します。HR STANDとRMSSD STANDは、立っているときの心拍数と心拍変動を表します。HR PEAKは、立ち上がった後に生じる最も高い拍動を表します。最初の試験の後、Flowウェブサービスの結果画面の下方部分で心拍数の平均の算出が開始されます。これは、各試験の後に自動的に更新されます。
心拍数の結果で表示されるHR RESTとHR STANDは平均値であることに注意してください。そのため、曲線に過渡的な低い数値が表示される場合があります。
トレーニングセッションが進むにつれ、平均値と結果を比較することにより、心拍数の結果で、トレーニング負荷の効果を確認できます。結果では、最新のピーク値、立っているときや休息時の値、平均値との差を確認できます。結果の数値の一つ以上が継続的に、平均値を上回ったり、下回ったりし、トレーニング負荷が低いときの回復週に通常に戻らない場合、オーバートレーニングである可能性が考えられます。心拍数はオーバートレーニングの一つの指標に過ぎないことに注意してください。パフォーマンスの変化、一般的な疲れといったその他の変化にも常に注意してください。
特にオーバートレーニングであると思われる場合に、専門家に数値を見てもらうのも効果的な方法であると考えられます。
科学文献においても、オーバートレーニングの指標については多くの議論と調査が行われています。トレーニングにより生じる疲れにおける様々な段階は、一般的に回復に要する時間に基づいて分類されています。起立試験の結果を理解する上で重要なことは、トレーニングに対する心拍数と心拍変動は、通常、疲れの段階により変化し、ストレスや病気など他の要素によっても変化するものであり、友人や他の人たちとは異なるものであることに注意してください。そのため、トレーニングが起立試験の結果に与える影響を学習する必要があります。専門家に数値を見てもらうのも効果的な方法であると考えられます。
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